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法人格取得にあたり

 日本手話通訳士協会は、平成元年に第一回手話通訳士試験が実施された後、三年を経過して手話通訳士の資質及び専門的技術の向上と、手話通訳制度に寄与することを目的として設立されました。今日までの約20年間には、私たちの基本的な理念となる「手話通訳士倫理綱領」の作成を始めとし、さまざまな活動を行い社会的に評価されるべき職能集団としての確立に取り組んできました。この間、決して速い歩みではありませんが確実に手話通訳士は増えています。そして、参議院議員比例代表選挙の手話通訳を手話通訳士が担うことが定着し、さらには、次の衆議院比例代表選挙の政見放送にも手話通訳士が導入されることになりました。また、自治体などの手話通訳事業において手話通訳士を採用条件とするなど、「手話通訳士」は、社会的認知を広げてきており、同時に聴覚障害者の社会参加が進む中で、手話通訳士の役割はますます大きくなっています。

 当協会の法人化は従来からの念願でした。手話通訳士資格の社会的認知にはまだ課題があります。手話通訳士資格が本当の意味で専門的資格となりうるためには、手話通訳士資格を法定化することが必要だと思います。そのためにも、手話通訳士協会が、職能集団として社会にしっかりと根付いたものにし「手話通訳士」資格の社会的認知を進めていくことが必要だと思います。手話通訳士資格が社会的に認められていく取り組みは、聴覚障害者福祉の発展に貢献できるものと考えています。

 この度の法人化実現は会員の協力はもとより関係団体のご理解、ご支援のお陰と心より感謝申し上げます。法人化は新たなスタートです。前述したように手話通訳士資格の認知と職と資格の結びつき等課題はたくさんあります。今後も、みんなで力を合わせて前進し更なる飛躍を遂げましょう。

2009年6月

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